鉄筋加工の基本と注意点|安全かつ効率的な作業方法
「鉄筋加工ってどんな作業なの・・・」
「どんなことに注意したらいいのかな・・・」
「安全で効率のよい作業方法をしりたいな・・・」
建設業界において、鉄筋加工は欠かせない工程です。
しかし、鉄筋加工にはさまざまな注意点があり、これを知らないと安全かつ効率的な作業は難しくなるでしょう。
そこで今回は、鉄筋加工の基本手順を3ステップでわかりやすく解説し、安全な作業方法と注意点を詳しく紹介します。
▼この記事でわかること
- 鉄筋加工の基本手順
- 鉄筋加工の注意点と効率的な作業方法
- 業界の現在地と未来予測
あなたも鉄筋加工の知識を身につけ、作業の効率化と安全性の向上を実現しませんか。
これから成長が期待できる鉄筋業界の必要不可欠な人材になれるでしょう。
鉄筋加工業界のかたや、これから業界に入りたい人、興味がある人は必見の内容です。
そもそも鉄筋加工ってなに?

鉄筋加工とは、鉄筋を「切断」「曲げ」「溶接」などの加工して、建築物の構造に適した形状や寸法に整える作業です。
鉄筋加工の目的は、以下の2つ。
- 鉄筋の強度を高める
- 鉄筋同士を結合する
鉄筋は、比較的柔らかいため、建築物の重量や荷重に耐えられず、しかも、そのままではバラバラになってしまいます。
そこで、鉄筋加工によって鉄筋の強度を高め、鉄筋同士を結合し、建築物の安全性を向上させ、構造を安定させるのが目的です。
※鉄筋とは
鉄を素材とした棒状の建材です。鉄筋には主にSR種(丸鋼)とSD種(異形鉄筋)の2種類があり、寸法や強度が異なります。
鉄筋加工の重要性を解説

鉄筋加工は建築物の安全性、耐久性、そして美しい外観に不可欠な作業です。
加工によって、建築物は耐震性や耐久性を向上し、維持管理が簡単になります。
しかし、加工がうまく機能していないと、建築物はさまざまなリスクに直面し、寿命も短くなるでしょう。
高品質な鉄筋加工による効果は以下の通りです。
- デザイン性の向上
- オリジナリティにあふれた外観や内装が実現可能。
- 耐震・耐風性能の強化
- 密に組まれた鉄筋が建物全体の強度をアップ。
- コンクリートの劣化防止
- 鉄筋による内部補強で亀裂の進行を阻止。
- 施工スピードの短縮
- 加工された鉄筋を使うことで建設工程がスムーズかつ迅速。
正確な「切断」「曲げ作業」の技術は品質向上だけでなく、工数の削減にもつながり、建築物の品質を左右する重要な要素です。
鉄筋加工は見えない部分の仕事ですが、建築物全体に影響を及ぼす、極めて重要な工程と言えるでしょう。
鉄筋加工の基本手順を3ステップで解説

鉄筋加工の基本をつぎの3ステップで解説します。
- 鉄筋の切断
- 鉄筋の曲げ加工
- 鉄筋の溶接
ひとつずつ詳しく見てみましょう。
ステップ①鉄筋の切断
1つ目は鉄筋の切断です。
鉄筋の切断は、建築物の安全性や設計の精度に大きく影響する重要な工程です。
作業には「ディスクグラインダー」「高速切断機」「電動油圧式カッター」などの工具が使われ、切断する鉄筋の特徴や量に応じて使い分けます。
これらの工具はレンタルも可能です。
▼鉄筋切断における重要なポイント
- 精度の確保
- 設計図面に記載された寸法を厳密に守り、誤差1mmでも大きな影響を及ぼすため、常に計測しながら作業します。
- 安全対策
- ディスクグラインダー使用時には、大量の火花と切粉が飛び散るため、作業者の安全と環境への配慮から工事用水を散布し、切粉の飛散を抑制します。
- 事故防止
- 切断後は、ディスクの完全停止をチェックし、想定外の事故を防ぐため機械から離れることが重要です。
これらのポイントは、建築物の安全性を確保し、効率的かつ安全な作業環境を構築するために不可欠です。
適切な工具の選択と正確な作業が、鉄筋を切断する工程に求められています。
ステップ②鉄筋の曲げ加工
2つ目は鉄筋を曲げる作業です。
鉄筋の曲げ加工には、バーベンダーという専用機械が使用され、効率的な活用が建築現場の品質と生産性を大きく左右します。
バーベンダーには自動と手動の2種類があり、おもに自動のバーベンダーが使われ、現場では手動も使用されます。
▼鉄筋を曲げる際の重要ポイント
- バーベンダーの特徴
- 油圧シリンダーを動力源とし、コンピューター制御で高い加工精度を実現。
- 一度に曲げられる鉄筋の本数が異なる。
- 手動タイプは「てこの原理」を用いて細い鉄筋を簡単に曲げることが可能。
- 作業のポイント
- 曲げ半径が小さいと鉄筋が破損するリスクあり。
- 角度が正確でなければ建築物の強度に影響する。
- 成形スピードの調整で表面の傷を最小限に抑える。
バーベンダーの使い方は、鉄筋をセットし、設定した角度で曲げるというシンプルなものですが、寸法や角度の正確な測定が必要です。
太い鉄筋には自動バーベンダーを使用するほうが、効率よく正確に曲げられます。
大規模な現場では、バーベンダーの高速でのカット機能も活用され、作業効率の向上が図られています。
バーベンダーは曲げ加工に欠かせない重要なツールで、正しい操作と経験が必要です。
ステップ③鉄筋の溶接
最後3つ目は溶接です。
鉄筋の溶接は、鉄筋同士を結合することで、建築物の鉄筋工事において重要な工程です。
おもに「フレア溶接」と「突合せ溶接」の2種類があり、状況に応じて使用されます。
- 溶接方法
- フレア溶接:鉄筋の重なった側面や鉄板と鉄筋を溶接する
- 突合せ溶接:鉄筋の端部同士を溶接、エンクローズ溶接も含む
- 溶接材料
- 溶接には溶接棒や溶接ワイヤが必要
- 材料には鉄、ステンレス、鋳物などが含まれる
- 使用されるのは低水素系被覆棒、ソリッドワイヤ、フラックスワイヤなど
溶接は建築物の構造強度と安全性を保証するため、重要な役割を果たします。
安全かつ効率的な鉄筋加工の注意点

鉄筋加工は、安全かつ効率的にすることが重要です。
安全かつ効率的な鉄筋加工を行うためには、以下の点に注意してください。
安全対策
鉄筋加工現場では、次のような安全対策が特に重要です。
▼必須な保護具
- 保護メガネ(飛散物対策)
- 防じんマスク(微粒子状の切粉対策)
- 安全靴(落下物や踏み抜き防止)
- 防護手袋(切傷防止、感電防止)
安全な保護具を着用することで、ケガを防止できます。
建設現場での安全対策は、作業員と周囲の人を守るために極めて重要です。
以下のポイントを徹底してください。
▼作業場の注意点
- スラブ上歩行時
- 短い材料を置かず足元に注意する。メッシュロードの固定。
- 強風時
- 転倒防止の筋交いの設置し飛散防止ネットの使用する。
- クレーン操作
- オペレーターは合図を守り、つり荷から目を離さない
- 差し筋またぎ時
- 材料運搬中の動きに注意
- トラックでの資材運搬
- 材料の積み方工夫、固定の徹底
- 周囲への注意喚起
- 「立ち入り禁止」掲示、作業内容の周知
これらの対策を適切にすることで、事故のリスクを大幅に減らし、作業環境の安全性を高められます。
作業を効率化する工夫
鉄筋加工の効率化は、作業の質と速度を高める上で不可欠です。
以下の点に注意し、作業を進めることが重要です。
- 施工図と搬入計画
- 施工方法、図面の作成、搬入計画、他業者との打ち合わせを事前にする。
- カットと加工
- 鉄筋を設計図面に基づいて正確な長さにカットし、直角に加工する。
- 工場での加工と組み立て
- 工場で部分的な加工・組み立てをして、現地での効率を向上させる。
- 鉄筋の配置と結束
- 設計図面に従い、鉄筋を正確に配置し、結束で強度を高める。
- 自動化の活用
- 配置と溶接を自動化し、作業効率を向上させる。
- 工具と機械の使用
- 鉄筋カッターや丸ノコ、曲げ機など適切な工具・機械を使用する。
- 作業工程の簡略化
- 切断と曲げ加工の同時実施、溶接工程を省略する。
- 作業の流れの整理
- 必要な工具・機械の事前準備、作業手順を計画する。
鉄筋加工の効率化には、作業者の経験やスキル、意見の積極的な採用も重要です。
さまざまな意見を聞くことで、作業時間の短縮と高い品質が実現できるでしょう。
最新技術と業界の動向

鉄筋加工は、従来は手作業ですることが多かったのですが、近年は自動化や技術の進歩により、機械でするケースが増え、人手不足の対応や効率化が進んでいます。
ここからは、鉄筋加工に関する最新技術と業界の動向について見ていきましょう。
最新技術を知ろう
最新技術が鉄筋加工業界にも増えてきています。
以下は、この分野での注目技術です。
- 協働型ロボット
- 自動化により鉄筋結束作業の効率化と作業者の負担を軽減する。
- 鉄筋自動曲げ装置
- 上下曲げが可能な装置による品質の向上。
- TACoil®の活用
- 鉄筋加工の生産性向上とロス低減、保管・輸送効率の向上。
- Rebartekのロボット技術
- 鉄筋配置と溶接を自動化し、効率的に加工する。
- 3Dプリンティング技術
- 複雑な形状の鉄筋加工が可能。
- 人工知能(AI)の活用
- 設計、加工、管理の自動化と最適化、品質監視が可能。
これらの技術を使うことで、鉄筋加工の効率と品質が格段に向上するでしょう。
鉄筋業界の現在地と未来予想
鉄筋業界は、社会情勢の変化と技術革新の影響を受けています。
鉄筋業界の「現状」と「今後の展望」を以下にまとめました。
- 人手不足の問題
- 少子高齢化や働き方改革により人手不足が深刻化
- 高齢化と後継者不足による技能水準の低下
- 技術革新への対応
- 自動化・省人化技術の導入により人手不足の解消と生産性向上を目指す
- 3Dプリンティングなど新技術開発による建築設計の自由度向上
- 国の方針と産業の動向
- 国土交通省のi-Constructionなど、IT技術や機械化の導入促進指針。
- 自動車産業並みの「脱人海戦術」への移行と事業再編におけるITリテラシーと設備投資力の重要性
鉄筋業界は技術革新と社会情勢の変化を背景に、人手不足の課題を乗りこえ、発展を遂げていくと予想します。
もっと、鉄筋加工に関する未来予想が知りたいあなたにおすすめの記事はこちら。
よくある質問を一問一答
Q.資格は必要?
A.特に法的な資格制度はありませんが、建設業界では「一級鉄筋施工技能士」や「二級建築施工管理技士」「鉄筋技能士(1級・2級)」などの取得を推奨しています。
Q.体力が必要?
A.ある程度の体力は必要ですが、機械化・自動化が進むにつれ、女性や高齢者でも働きやすい環境が整いつつあります。
Q.将来性は?
A.先ほど触れた通り、人材不足が課題です。
ですが、技術の進歩や国からの後押しもあり、需要も増加するなど、明るい兆しも多いため成長が期待できます。
豊富な経験と確かな技術力の【株式会社高栄鉄筋】が未来も鉄筋業界をリードします

創業から30年以上の歴史を持つ「株式会社高栄鉄筋」は、鉄筋工事の専門家として業界をリードしています。
私たちの旅は昭和59年に始まり、その時から技術の精度を高め、さまざまな建築プロジェクトで高い評価を得てきました。
▼株式会社高栄鉄筋4つの重要ポイント
- 技術力
長年にわたる、経験に裏打ちされた高い技術力をもち、どんな工事でも高い品質をお届けします。 - 指導力
経験豊富な職人が迅速かつ的確な指示をだし、作業するすべての人の安全を最優先で守ります。 - 挑戦し続ける現場
難易度の高い現場作業も、つねに挑戦し成功させてきました。他社に断られた際は一度ご相談ください。 - 神は細部に宿る
どんな細かい作業も手を抜かず、細部まで品質にこだわり続けます。
変わりゆく世の中に柔軟に対応し、技術と技能の向上に絶えず取り組んでいます。
お客様への誠実な施工を心がけ、信頼できる関係を築いてきたことが私たちの誇りです。
今後も、安全性と品質の向上を追求し続けることで、さらなる発展を目指します。
このブログを訪れてくださった皆様へ、引き続きのご支援とご指導を心よりお願い申し上げます。
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まとめ
今回は鉄筋加工の基本手順と注意点について詳しく解説しました。
振り返りましょう。
鉄筋加工とは、鉄筋を「切断」「曲げ」「溶接」などの加工して、建築物の構造に適した形状や寸法にする作業です。
鉄筋加工することで、「耐久性」と「耐震性」の向上が期待できます。
加工の手順は3つありましたね。
- 鉄筋の切断
- 鉄筋の曲げ加工
- 鉄筋の溶接
以上のステップを正しく実行することで、安全で強度の強い建築物の建設が可能です。
安全に作業することも、重要なポイントでしたね。
▼必須な保護具
- 保護メガネ(飛散物対策)
- 防じんマスク(微粒子状の切粉対策)
- 安全靴(落下物や踏み抜き防止)
- 防護手袋(切傷防止、感電防止)
必ず着用して、あなたの身を守りましょう。
最後に鉄筋加工業界は、深刻な人手不足に陥っています。
建設業の需要は増えているのですが、供給のバランスが取れていないのが現状です。
ですが、3Dプリンティングや作業の自動化、人工知能を活用することで、人手不足を解消し、「国土交通省」のi-Constructionなど国の後押しもあるため、鉄筋加工業界は未来に向けて、さらに発展が期待できます。